目的 †

• 東日本大震災時に拡散されたデマやそれらを訂正するツイートを時系列で可視化することにより、デマの拡散、収拾の様子を調査する。
• 否定表現からデマを訂正しているツイートを自動的に認識する手法の開発と評価を行う。

成果物 †

命題の一生 †

震災時に拡散された、幾つかのデマツイートとその訂正ツイートの変遷を自動的に可視化しました。

マウスポインタを重ねるだけで各時点の代表的なツイートを表示できると同時に、デマの流行が訂正ツイートによって衰退していく様子を見ることができます。 グラフの拡大縮小も可能で、全体の流れを見たり、詳細の分析も可能です。

東京大学入学取り消しのデマや漫画家の尾田栄一郎さんが15億円を寄付したデマの変遷の様子です。
両トピックともにデマツイートが先行する形で発達しており、それを追いかけるように訂正ツイートが増えていることや、デマが衰退している様子がわかります。

分析手順 †

1: 対象のデマ †

Twitter Japan 株式会社より提供された3月11日9時から3月18日9時までのツイートを対象としました。
まず震災時に拡散された以下のトピックをクエリとして、Twitter Japanのデータからデマに関連するツイートを検索をしました。*1*2

2: 訂正ツイートの抽出 †

次に各対象デマについて下記の処理を行います。

1. 各対象デマについて、反論パターンでマッチングしたツイートを「訂正ツイート」します
2. 反論パターンで取れないツイートを「デマツイート」とします
3. １時間ごとに訂正ツイートとデマツイートをグラフにプロットします。
4. 各時間ごとの代表ツイートを選びます。

反論パターンは上記トピックのツイートについて、命題を否定している表現（「デマ」や「嘘」のようなフレーズ）をアノテートしたものの中から使えそうな表現55個を選びました。

3: 代表ツイートの選考 †

今回は「情報の拡散」について着目しているので、よりたくさんの人々がRTしていれば、それはよく拡散したということになります。
よってグラフに表示する代表ツイートは、各時間において最もRTが多くされたものを使っています。
具体的には文字列頻度を計算することにより、代表ツイートを抽出します。

謝辞 †

• 東日本大震災ビッグデータワークショップの企画・運営をされている皆様に感謝いたします。
• 貴重なデータを提供して頂いたTwitter Japan 株式会社に感謝いたします。
• グラフの描写にGoogle Chart Toolsを用いました。